■日時  2015年9月13日
■場所  熱田神宮宝物館(愛知県名古屋市)
■拝観料 300円
■交通費 400円
  内訳 210円(名鉄名古屋駅→神宮前駅)
     190円(JR熱田駅→JR名古屋駅)

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■旅行日程 2015年9月11日〜9月13日
■東京−名古屋−岡山−東京交通費 22,750円
内訳 4,100円(東京→名古屋/夜行バス)+10,350円(名古屋→岡山/新幹線)+8,300円(岡山→東京/夜行バス)
■宿泊地・宿泊費 名古屋駅から徒歩5分のとこ(一泊2,800円)、岡山駅から徒歩10分くらいのとこ(一泊2,800円)



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「……熱田神宮ってこんなに刀多いの?ってか長谷部国信とか来国俊ってHPに載ってるけど
常設展示じゃないの?え、熱田神宮に無い??ついでに蜘蛛切丸って先月まで???


やば、 レポートどうしよう 」




予想外な出来事は旅につきものですが、まさか初っ端からそれに見舞われるとは…ガラ空きだったぜ。

台風北上とクロスフェードするように西へ向かった私を待ち受けていたのは、驚きと感動とレポートどうしよう;;;;;という不安。



「まさかこんなにたくさんの刀剣を見ることになるとはな!!!!!!!」



名古屋・岡山編。
最初に訪れたのはかの三種の神器のひとつ・草薙剣を祀る熱田神宮。

朝6時に名古屋駅に到着。
6時半オープンの銭湯で一風呂浴びて(一番風呂を頂戴したぜ)、名古屋名物のモーニングをかっ喰らう。名鉄名古屋駅から最寄りの神宮前駅に着いたのは9時半頃。
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神宮前駅の目の前に熱田神宮はあります。
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参道のこういう風景って伊勢神宮も明治神宮も変わらないな〜〜と思いながら歩きました。台風明けのせいか神域なせいかわからないけれど、とっても天気が良くて風が気持ちよかったです!

目的は宝物殿だけどまずはご挨拶しなくちゃね、ということで参拝を済ませて御朱印を頂きました。
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ザ・シンプル!

そして宝物館へ
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全景はこんな感じ。
壁や屋根の形がなんだか見たことあるような、と思ったら校倉造風なんですって。そう、正倉院と同じ。

中に入ってみるともう、すぐ、エントランス正面に展示してある太郎さん!
太郎太刀 全体1

刀本体、拵、そして大きさ比較用の太刀が並んでいます。
比較用太刀と比べて3倍はありますね!

説明書きによると、太郎太刀の正式名称は「末之青江(すえのあおえ)」
全長221,5cm、重さ4,5kg(ちなみに次郎太刀の長さは166,7cm)
室町時代に備中国の刀工によって作られたそうです。
姉川の戦い(織田vs浅井のアレ)で浅井方として参戦した朝倉家の武将 真柄十郎左衛門によって実際に振るわれたとのこと。
社会の教科書等に載ってる「姉川合戦屏風図」の真ん中より少し右寄りあたりに、太郎太刀を振るっている真柄十郎左衛門を見ることができます。
リンク先はグーグル画像検索。より詳細な画像が見られるよ
姉川合戦屏風図
出典 http://blogs.yahoo.co.jp/yawaragitaxi0306/11653794.html


この大太刀は長さの割には茎が短く反りも浅いんですって。
確かに、江戸時代の刀みたいに反りが浅い…
太郎太刀 全体2

柄。
DSCN1136
経年を感じます。
所々にあるハート型の模様は、猪目(いのめ)という日本古来の模様。
刀だけではなく、様々なものに装飾として使われているので、美術館や博物館で目にする機会も多い筈。
太郎太刀 柄
実は、、、画像の彩度調整をする為に拡大した際に見つけたものがあるのです、、、、
上の写真をクリックして目釘をよーーーく見てみて?(目釘とは画像左側の木の出っばりのことね)


_人人人人人人人人人人人人人_
> 目釘にも♡がある!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

隠れミッ●ーみたい!かわいい!!


大きいと言えば御手杵も大きい、というか長かったんですけど(380cm)、太郎太刀は大きいだけじゃなくて太いんです。特に鞘!
ゲームと同じ姿の拵は朱塗鞘野太刀拵。
写真だとちょっと分かりづらいですが、鞘の太さはおそらく普通のものの倍はあるでしょうね……抜刀せずに棍棒みたいに振り回してもいいんじゃないかな???
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個人的に好きな点は鋒からハバキのあたりまで掻かれている赤い樋です!擬人化された太郎さんの目元とすごくリンクするなぁと思いましいた!イラストレーターさんナイスです^^
太郎太刀鋒3本


太郎さんの展示ケースの右横には刀剣クイズラリーの問題が。
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とうらぶ大手まとめサイトさん等で「結構問題が難しい」というコメントを読みましたが、バサラクラスタには余裕ですね♪


太郎さんの事は書いてしまったのでここで記事を終わらせてもいいのだけど……熱田神宮宝物館についてはここからが本ちゃんなのです。
もう、本当に、予想以上に刀が多くて、メモ入力のために親指がつるか、諦めるかの苦しい選択でした。

宝物館は拝観料300円(安い!!)
記事の最初に掲載している画像がチケットです。キレイ〜〜


今回宝物館に展示されていたのは以下の刀。

1 太刀 銘 上 熱田神宮 刀剣並技術奉納奉賛会 藤安將平謹作之 平成十五年7月7日
2 短刀 兼光/美濃 室町時代16世紀
3 刀  銘 兼次/室町時代16世紀
4 刀  銘 同住人兼亮作之/尾張 室町時代16世紀
5 太刀 銘 兼吉/美濃 室町時代15世紀
6 脇指 銘 吉時作 寛永廿年仲春/江戸1613年
7 (メモ抜け) 銘 金高/尾張 江戸17世紀
8 刀  無銘/美濃
9 脇指 銘 和泉守藤原信屋/尾張 江戸17世紀
10 脇指 銘 美濃守藤原政常/尾張 江戸17世紀
11 脇指 銘 豊後守源政全/尾張 江戸17世紀
12 刀  銘 伯耆守藤原信高/尾張 江戸17世紀
13 脇指 銘 氏雲 尾州舊渡之住
14 太刀 銘 濃州関住兼房作 河村京三郎/美濃 室町1568年
15 脇指 無銘 号 痣丸/ 鎌倉13世紀

全部で15振。刀以外にも梓弓(あずさゆみ/神事等に用いられる弓)や神事用の馬の装飾具、変わったものではアンタークテカイト(南極の石)もありました。

写真撮影禁止&画像を見つけられない刀もあるので、特に面白いと思った刀のみをピックアップして紹介します。

1 太刀 銘 上 熱田神宮 刀剣並技術奉納奉賛会 藤安將平謹作之 平成十五年7月7日
刀の歴史で見るとつい最近作られた刀です。
今まで古い刀しか見たことがなかったので、茎は錆びて変色していました。こちらの刀は鋒から茎までピッカピカ。元はこういう色だったんだな〜〜と知ることができました。

4 刀 銘 同住人兼亮作之/尾張 室町時代16世紀
画像が見つからなかったのがすご〜〜〜〜く残念!この刀は今まで見た中で一番身幅が広くて、およそ日本刀に見えない刀でした!広い。
超広い!!
平造りで丸棟。刃長は62.3cmあるけど身幅が超広いのででっかい包丁の様な見た目です。
棟、刃の両側から大きく刃紋が広がっていて、、、ん〜〜なんというか、トリコみたいな超人料理漫画に出てくる中華の達人っぽい人が使ってそうな感じ!見たらきっと驚きます。おすすめ!

13 脇指 銘 氏雲 尾州舊渡之住/閑遊入道 愛知県指定文化財
平造り。身幅広く厚いです。茎がとても短い!
刃の中心に達する程の太っっとい樋がグッと掻かれていて、裏には表のよりは狭いけれど広めな樋が二本。
脇指 銘 氏雲 尾州舊渡之住
出典 熱田神宮の宝刀〜鑑賞のしおり〜 45頁

14 太刀 銘 濃州関住兼房作 河村京三郎/美濃 室町時代1568年 愛知県指定文化財
身幅広くて鋒大きいです。横手筋の位置が大分下の方ですよね!!
丁子、互の目、小のたれ、などなど、水が波打つような不規則で激しい刃紋。
下から覗きこむようにしてみた時に、光の関係で刃紋のフチ(沸っていうの?)がキラキラ光って見えて美しかったです!カッコイイ!
太刀 銘 濃州関住兼房作 河村京三郎
出典 熱田神宮の宝刀〜鑑賞のしおり〜 41頁


15 脇指 無銘 号 痣丸/鎌倉時代13世紀 愛知県指定文化財
痣丸(あざまる)の事をご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この刀は村正と同じく妖刀と呼ばれていて、目にまつわる因縁があるらしい…持ち主の目が潰れたり眼病になったりね。そういうわけで熱田神宮に奉納されたところ、持ち主の病もよくなったとか。
盲目になった持ち主の顔にあった痣がハバキ元に移ったことが号の由来とのこと。
この刀の作者は諸説あり、大包平を作刀した古備前の包平や数珠丸を作刀した青江恒次も候補に上がっているようです。
痣丸
出典 http://okehazama.jp/blog/?p=820

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出典 熱田神宮の宝刀〜鑑賞のしおり〜 20頁

呪いはいやだけど、こんな子が実装されてもおもしろそう。
「俺は…呪いの刀だから……」
山姥切と仲良くなれそうだね。

全体的に個性的な刀が多い印象でした。

刀に添えられている説明書きは、今まで訪れたどの施設よりも親切丁寧で
刃長、造り、鍛え、刃紋の種類等細かく書かれていました!
「これはなんという刃紋なんだろう?」と思いながら見ている人(私も)にはすごくありがたい内容。
熱田神宮の宝剣
宝物館で販売されている刀の図録。収蔵品の中でも特に良い物をピックアップして掲載しているようです。ちなみに表紙の刀は14番の刀!
各刀の詳しい解説はもちろんのこと、刀の用語や御手入れの作法も載っていて充実しています。オススメ。たしか800円。A5サイズ。


さて今回展示されていた刀たちですが、収蔵品の一部にすぎないとのこと…

なぜ熱田神宮にこんなに刀があるのかというと、冒頭にも書きましたが、
熱田神宮の御神体が草薙剣であるが為なのです。
468x468xb9a6095be7e02cae0f45abef
出典 http://matome.naver.jp/odai/2139577302539377601/2139577929940949003

草薙剣(クサナギノツルギ)はまたの名を天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)といい、日本神話でも有名なエピソード・スサノヲが八岐大蛇を退治した際にその尾から発見されたのが草薙剣です。
(なぜソレが熱田神宮に安置してあるのかを書き出すと長くなるので割愛)
そんな古代の神剣を祀る神社には古くから人々が刀を奉納する習慣があるため、たくさんの刀が熱田神宮に集ったというわけなのです。(しかも平成になった現代までソレが続いているというからすごい)
なので上に挙げた15振の殆どの刀身に寄進切符銘が切られていました。

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初っ端に書いた通り、私はHPに記載されている長谷部国信や国俊の刀が見れると思って、すっかりそれ中心のレポート構成を考えていたんですよね。
しかし来てみればそれらの刀は無い、と。
タイミングよく学芸員さんからお話を伺う事ができたので確認してみたところ、
お察しの通り、熱田神宮は収蔵品がものすごく多いので毎月展示替えをしているんですって。
全部見るには、毎月通って何年だっけ?失念しましたが、とにかく諦めのつく回数でした。
しかも、うち刀6振はトーハクに寄託しているとのこと……(刀以外も含めると20点近く寄託しているそうな)


「勧告出品」という言葉を初めて知ったんですけど、災害や有事の際に大事な宝を国に預けるらしいんです。
すごくざっくり書くと、江戸時代が終わり日本に新しい政府ができた時に「帝都に有名なものを集めよう」ということになった→しかしめぼしい品が無い。そこで全国の神社やお寺から「アンタんとこでソレ管理できる?国がちゃーんと管理してあげますよォ?」ってな具合で回収していったんですって。

これは飽くまでも持っていかれた側の視点の話ですが、二日後に訪れた備前長船刀剣博物館でも同じような話を聞いたので、多分、そういうことなんでしょうね(笑)

ってなわけでHPに載ってる来国俊の短刀はトーハクにありまぁす!!


さて熱田神宮の話もこんなトコですかね…
名古屋城の話も合わせて書く予定だったんですけど、思いの外長い記事になってしまったので名古屋・岡山編のどこかでサックリ書きますね。

以下オマケ写真
摂社っていうのかな?上知我麻神社の御朱印。
ここは桶狭間合戦時に信長が集結した場所でもあるそうです。
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お昼のうどん
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しょっぱいことを「からい」とは言う習慣は無い私ですが、これはなぜか「からい」と言いたかった!
熱田神宮内の休憩所で頂きました。カラスの襲撃注意。

とっても天気がよかったので亀がそろって甲羅干し。
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ここの鳩は肥えているなぁ…日差しと風が心地よすぎて眠かったです。

帰りは神宮前駅からではなくJRの熱田駅から帰ってみました。(名古屋の中央線に乗ってみたかった私は東京の中央線ユーザー)
行きしまの商店街。すごく独自の雰囲気。あやしいお店も普通に連なっていたのでちょっとびっくり。
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では、長くなりましたが熱田神宮に行ってきた話を終わります。
次の予定は名古屋城、もしくはメインで紹介する刀は一本だったはずなのに、新たに実装されたあの子の話も書かないとね!
な徳川美術館の話になります。
書きたい事が多くてまとめるのに時間がかかりますが、気長に待って頂けたらうれしいです。


名古屋・岡山編
其の一 太郎太刀を見に行った話
其の二 鯰尾藤四郎と当時未実装だった物吉貞宗を見に行った話
其の三 にっかり青江を見に行った話/真剣少女の日本刀展