■日時  2016年5月14日
■場所  山鳥毛:岡山県立博物館
     ニッカリ青江:香川県立ミュージアム
■観覧料 300円+410円

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■旅行日程 2016年5月13日〜5月15日
■東京―岡山・香川交通費 11,370円


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「青江は一回見たし、四国は遠いから今回はパスしよ」

そう思っていた矢先に発表された山鳥毛の展示予定。






我慢できなくて来ちゃいました^^

岡山まで来るんなら、香川にも行くしかないでしょ。
ということで今回は1日で岡山県立博物館と香川県立ミュージアムをハシゴする旅になりました!



まずは山鳥毛を見るべく、岡山県立博物館へ。
岡山駅からバスで片道140円、後楽園前のバス停で下車。
後楽園の入口のすぐ前に岡山県立博物館はあります。
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ここ知ってる!
去年後楽園に来たので、建物だけは見たことがありました。その時はここに来ることになるなんて思わなかったな〜

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チケットを購入。
岡山県立博物館と後楽園の両方に行く人は割引になるので確認するのを忘れずに。
(今回は後楽園には行かなかったので通常のチケットです。)

チケットと一緒に写っているのはチラシと山鳥毛の解説。
粗めの画像だけど…それでも刃文がタダゴトじゃないって伝わりますよね!?


早速展示室へ。
展示室は1Fと2Fにあり、刀剣類が展示されているのは1Fの第四展示室。
壁沿いに7振の刀がありました。
今回もすべて撮影禁止です。

1.太刀 銘則宗 鎌倉時代13世紀 重要文化財
2.太刀 無銘一文字(山鳥毛) 鎌倉時代13世紀 国宝
3.太刀 銘長光 鎌倉時代13世紀
4.太刀 銘真守 鎌倉時代13世紀
5.刀  銘長義 南北朝時代14世紀
6.刀  銘備州長船彦兵衛尉祐定作 与三衛門尉 同国住入木住代 (裏)永正十六年二月吉日
7.刀  (銘をメモするの失念) 源兵衛尉祐定

今回は山鳥毛がメイン(なはず)なので一番手前にいる、と思いきや2番目。
最初は福岡一文字の祖・則宗の太刀。これがよかった!
80.1cmと長めの刀身に3cmの反り。細身、すらりとして小鋒。格好がいいです。
沈んだ黒い地鉄はよく詰んで潤いがあり、板目肌流れる。
刃文は直刃調で小互の目混じる…かと思いきやキャプションは小丁子と小乱でした。
さすがはトップバッター、「古雅な趣のある」とはまさしく。優美な太刀でした。


次は本命「山鳥毛」。
ぎゅんっと大きく反った太い茎。
目釘孔は等間隔で二つ。身幅は気持ち広めで、鋒の方がやや細まる程度であまり変わらず。
横手から茎尻までズバッと掻き通された樋。鎬地の幅は狭く全て樋になっています。
そして刃文。
まず焼き出しのすぐ後に飛び焼き。続いて並ぶ丁子、重花丁子、蛙子丁子の凄まじいこと!不規則で、しかも鎬地に達するほど大きく、それが鋒まで続きます。
華やかとか丁子というキーワードで思い浮かべるとやはり長船や一文字派が思い浮かんでくると思います。一文字に比べて若干控えめな長船は勿論、今までに見た「どうよ!」と言わんばかりの華やかな丁子を纏った一文字とも比べ物にならない程。圧倒的。
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描いてみたくなるよね

さてこの「山鳥毛」。やまとりげ、さんちょうもう。
名前の由来は勿論この刃文からきていて、説明には「山鳥の羽毛のようだからとも、山野が燃えるようだからとも言われている」とありました。
刃文の縁がクッキリハッキリとはしておらず、ユラユラそしてふわっとしています。なので羽毛のようだとか燃えるようだという喩え(たとえ)は確かにそうだな、と思えますね。
ドラマ等で、ガソリンを撒いたところを炎が線のように走るシーンがあるじゃないですか。あれを思い浮かべるといいかも。
しかし当てはまる喩えは炎のみならず。
きっと見る人によって喩えは変わると思います。私は炎の他にフツフツと沸くマグマにも見えたし(マグマ見たことないけど)、全体のシルエットだけなら雪を被った木々のようにも見えました。

刃文だったら江戸時代の刀にもすごいのあるじゃん、って思うでしょ? でもちょっと違うの。
江戸時代の刃文になると、互の目にしてももっと輪郭がハッキリしていて、いかにも土を置きましたーみたいなすごく人工的な感じがするんですよ。こういった不規則でふんわりした刃文は技術がわからないんですって。(ってことでよかった…よね、知識が…)

ハバキのちょい上あたりにある欠けは実践刀の証。山鳥毛のようなビジュアルが圧倒的な刀も実戦で使われるもんなんだなぁ…私だったら絶対しまっておく!もったいない!もしくは勝鬨をあげる時だけ出すかな(笑)

きっと今まで見たどの刀よりも刃文的な意味ですごいです。
刀に興味をもったひとは、次に見るチャンスが来たらぜひ見に行って!

追記:上越市が山鳥毛が購入するというニュースが話題になりましたね。そちらの記事にて山鳥毛の画像がみられます。⇒記事


他に展示されていた刀のこともちゃんと書けるくらいメモしてきたんだけど、山鳥毛で文字数くったからカット!
あ、でも長義のことだけ書き残しておきたい。
今回展示されていた無銘の長義。個人的にはあまり好みでなかったというか、良いと思わなかったというか。ではなぜ書きたいのかというと、名工の作でも差はあるのだと感じたから。
長義の作だとは一目見てあぁそうだな、とは思いました。しかしなんというか…きれいに纏まっていないような…落ち着きが無いような。私が良さをわからないだけだと思うんですけどね^^;
名品と呼ばれ、号が付けられる刀はやはり何かしら光るものがあるんだなと、いま一度感じた次第です。



さぁ次は香川!初香川〜初四国〜٩( *˙o˙*)۶

岡山から四国まではお約束のマリンライナーで。
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マリンライナーは自由席もありますが、せっかくなのでパノラマ席のチケットを買ってみました。

動画は音が結構うるさいです
瀬戸大橋は思ったより鉄骨に囲まれている橋でした。
少し霧がかっていたため天気が悪く見えますが、実際は晴れていてなかなか良い眺め!

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駅弁。ここはネタで「大将」というお弁当を買うべきかな、と思ったけど彩り弁当が食べたい気分だったんだw


約一時間程度で香川に到着!
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途中レンタルサイクルの看板に惹かれつつも徒歩で香川県立ミュージアムへ。
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パネルがお出迎え
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今回の展示はこれ。
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KATANA-刀剣を楽しむ3つの見方-と題された今回の展示。
一「名物という見方」
二「刃文という見方」
三「郷土刀という見方」
という3つのテーマに沿って刀が紹介されていました。

まず始めは「名物という見方」。
「名物」とはなんぞや?
刀を見に行ったことがある人なら一度は思った筈。
「号」というのは一つの刀についた固有の名称(呼称)。
「名物」も刀の固有名称です。八代将軍徳川吉宗(暴れん坊将軍)が編纂させた、刀剣より抜き250振を集めた本「享保名物帳」。それに載っている刀が「号」ではなく「名物」と呼ばれるものになります。※名物帳に載っていないものでも名物と呼ばれるものがあります。秋田藤四郎とかね

この「名物という見方」にて、メインの切刃貞宗、ニッカリ青江、芦葉江の三振が紹介されています。

脇指 無銘 切刃貞宗 南北朝時代
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切刃貞宗と呼ばれる刀はトーハクで一度見ています。今回もそれかと思っていたらどうも違う。脇指らしい。しかも焼身。
焼身といえば見たことがある方も多いでしょう、燭台切光忠。あれと同じく幅元には溶けたハバキの金が付着していました。刀身は研がれていていましたが全体的にスレていて、細かい傷がたくさんあります。しかし脇指にしては短い寸や鋒の形をはじめとする全体的な姿から、貞宗の作だと感じる要素がありました。
「切刃」とは切刃造(きりはづくり)からきていて、この刀は差裏のみが切刃造になっている片切刃造(かたきりはづくり)になってります。
切刃造のことは厚藤四郎を見に行った話にて書いているのでそちらをどうぞ。
享保名物帳では「切羽貞宗」と書かれているみたいです。トーハクの切刃貞宗と呼び分けるによいですね。貞宗ファンとしては、また一振り貞宗の刀が見れたので嬉しかったです。


次はニッカリ青江。
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撮影禁止だったので手持ちの写真で。
ニッカリを見るのは二度目。前回にパッと見てかっこいい刀だと思ったのは今回も変わらず。大鋒や身幅の広さ等とても堂々として見えます。
今回新たに感じたのは「緊張感」。この刀を「強そう」という単語のみで表現するのは、なにかちょっと足りないと思いました。強そう、に加えて刀身全体の均整や輝く地鉄それらの美しさが相俟って、何とも言えない張り詰めた鋭さを感じます。(ピリピリしている、とは違うかな)
長髪で中性的な見た目、それに反してセリフの端々からどこか容赦のなさを感じるゲームのにっかり青江。「強うそう」だけでも、「美しい」だけでもない、本体の独自の雰囲気を反映させた良いキャラクターだと改めて思いました。


最後に芦葉江。
芦葉郷
これも手持ちの写真。
芦葉江も二度目。半年ちょっと前に見た時はめっちゃいい!!と思ったけれど残念ながら今回はそうでもなかったかな…もちろん美品なんだけど!刀の好みが変わったんだろうなぁ。
直刃調に互の目を交えた刃文。乱れ込んだ帽子。腰元に砂流しがたくさん入っていました。
「津の国の 鵜殿の里に来てみれば 悪しとは見へぬ 義弘の太刀」
この刀を鑑定した細川幽斎の句が芦葉江の由来。「悪し」=「芦(あし、またはヨシともいう)」=「義」かな?
享保名物帳にて正宗・吉光と並んで「三作」と称する郷義弘。焼失物も含めて掲載本数の約半分をこの三名工が占めるためだそう。


この展示には「切刃貞宗とニッカリ青江の400年ぶりの再会!」という風な触れ込みがありました。
最初は特に興味がなく「ふぅん」程度でしたが、並んだ二振りを目にしてみるとなぜか熱いものが込み上げてくる…!
別に再会もなにも道具なんだし。対の作品というわけでもない。人間によって一緒にされて(二振りとも太閤御物として大阪にいた)、人間の都合・戦でバラバラに別れて、人間が再刃して…そして人間が再び引き合わせた。人間が込めた愛情の遍歴として見るべきか、それに翻弄される刀の視点を想うべきか。
何れにせよ、再会が叶ったこの二振りに感じた事は「君たちは生き残って、生き続けているんだね」でした。


残りの二つのテーマ、「刃文という見方」「郷土刀という見方」。
「刃文の見方」がとてもよかった!
この位置から見ると照明がうまく当って見やすいよ!というガイドシールがガラスに貼ってありました。その位置が結構下なんです。普通に立って見る姿勢ではなく、やや屈んだ姿勢。
これは体勢を変えて見ることに慣れていない、刀を初めて見る人にはすごくわかりやすいですね!
同時に刃文や刃中の働きの説明もありました。
刃文と刃取りの違いについての説明かあったことにまず驚き。蛙子丁子についても「オタマジャクシの形の丁子刃」なんて書いてくれているところなんて、これまで行った展示ではなかったよね。
ついでに金筋や砂流し、地景も図と刀の両方でコレ!とわかるように説明してあって感動。
初心者には大変親しみやすく、かつ展示してあった刀も尻懸則長、長船景光、虎徹など美品なラインナップでよかったです!


「郷土刀という見方」では地元讃岐の刀工の作が四振り紹介されていました。
このような名刀も含めた展示にテーマの一つとして郷土の刀が取り上げられるのは、地元の人からしたら嬉しいんじゃないかな?
私のような遠方から来た立場からも、ナルホドこれが讃岐の刀、としっかり視点を定めて見ることができました。


この展示はテーマがハッキリしていて、かつ見所がパネル等を使って丁寧に解説されていたのでとても良かったです。展示のまとめ方が上手!!
持ち時間一杯、刀を楽しみました!

しかしここで衝撃!
他の展示室で空海の展示をやっていたんですよ〜〜〜!!
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※写真はリーフレットより
もう部屋に入った瞬間絶句!両界曼荼羅も五大明王のでっかい絵もあるし梵字で書かれた書物もあったし好きなのがたくさんあったーーーー!!

とはいえ時間も無かったのでサクッと見て美術館をでました……;;



次は観光!
今回は栗林公園(りつりんこうえん)というところへ行ってきました。
この栗林公園、wikipediaで調べてみると
大名庭園である水戸の偕楽園、金沢の兼六園、岡山の後楽園は、日本三名園として名高い。しかし、明治43年に文部省から発行された『高等小学読本』巻一には、「・・・我ガ国ニテ風致ノ美ヲ以テ世ニ聞エタルハ、水戸ノ偕楽園、金沢ノ兼六園、岡山ノ後楽園ニシテ、之ヲ日本ノ三公園ト称ス。然レドモ高松ノ栗林公園ハ木石ノ雅趣却ツテ批ノ三公園ニ優レリ」とあり、栗林公園は日本三名園より優れていると記載されていた。


とあります。三名園より優れている?…いったいどんな景勝地なんだろう!?

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住みたい。
以前、三大庭園の中で一番好きなのは後楽園と書きました。それにも勝るとも劣らないーーgood viewing!
一番上の写真は、園内随一のビューポイント・飛来峰からの眺め。これはイイ!
ただ写真の通り足下が石でゴロゴロしていたり、高低差のあるルートがあるためヒールNG!まったりデートをするなら後楽園!なんてw
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オリーブラムネ。そういえば四国ではオリーブが採れるんだっけね。
お土産屋さんで売ってたオリーブ豚のジャーキーおいしかったな。

とっても広く、時間が足りなかったため園の左半分しか回らず。
今度はゆっくり歩きたいな〜(*´∀`*)


栗林公園に行くために乗った琴電のホームにて。
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方言での注意喚起。ナルホドわからん!

那須与一マンホール
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遠征の〆はやっぱり銭湯!




この遠征を計画する前に石川の遠征を決めていて、しかもそこでお高い宿を取ってしまったからどうしようか散々迷っていたけど来て良かったな〜楽しかった!
前回も今回も岡山での時間が多くなかったので次来るときはゆっくり見たい…いや、時間はあったけど見たいところが多すぎるのか。倉敷刀剣美術館にも行きたいしね!
あとあまりグルメを堪能していない!!


もう暫くは四国中国に縁がありそうだ〜 なんて考えながら夕飯を注文。
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なぜ冷たいうどんにチーズをトッピングしたのか。

鳥天のおかげでわずかに溶けるのが救いといえば救い。悲しいかな、初めての本場のうどんは「よくわからない味」という感想になってしまいました。 おわり