展覧会概要
展覧会名:徳川美術館展 尾張徳川家の至宝
会期:2024年7月3日~9月1日
会場:サントリー美術館
展覧会案内ページ:https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2024_3/index.html
出品リスト:https://www.suntory.com/sma/exhibition/visual/2024_3/list.pdf?_ga=2.16186166.1414799867.1726213117-1226010875.1726213117
入館料:1,800円
備考:一部作品のみ写真撮影OK
訪問日:2024年8月17日
レポートいうよりかは個人用備忘録的な感じなので、いつもと比べるとかなり簡素にお送りいたします。
↑ウェブラジオでも語っています。内容はこのブログとほぼ同じですが作業用にでもどうぞ
まずは刀剣関連全体のメモ
- すべて黒い背景が設置されている
- よく見るには下から見なければならないが車椅子の方に配慮された高さである
- 展示は合計4振
展示順に書いていきます。
太刀 銘長光 名物津田遠江長光 国宝
丁子のバリエーション!
鋒側は焼頭がだいたい揃っていて、角ばったミチミチとした互の目。そこから高低差をつけて、刀身中程でまたミチミチしています。真ん中より茎側は蛙子丁子。作為的なところを感じない、自然な丁子の景色。それでいて華やか。長光の作品に感じる穏やかさもありました。
この長光の肌はきれいなのかしら…?正面から見るとガサガサしているように見えますが、下から見るとそれが地景だとわかります。
鋒は少しフクラ枯れて見える。帽子の尖り具合がかっこいい。
刀 銘村正
長光の隣にあるのがあの皆焼の村正。
皆焼と丁子ではそもそも刃文が異なりますが「穏やかさ」の対比は参考になりました。本当に長光はナチュラル。
皆焼の村正を見ていると長谷部国信の唐柏や広光の作品が頭に浮かんできました。そして今更ながら「なぜ村正で皆焼なんだろう?」と。
刃文のせいかパッと見では国信や広光あたりの時代・地域の刀工の作かと思ってしまうけれど、しっかりタナゴ腹の茎。メラメラとした激しさは一文字の雰囲気も想起させます。匂口の沸のつき方も大変美しく、改めて見ごたえのある刀だと思いました。
脇指 無銘貞宗 名物物吉貞宗
この刀を始めてみた時「わ!小さい!」と驚いたことをよく覚えています。いろいろな貞宗との対面を経て、物吉貞宗も「貞宗のサイズ感」だと今なら感じることができました。
彫りの繊細さ!なめらか。ササッ スルッと描かれて(彫られて)いるような線だけれど、丁寧なのがわかります。その風景が物吉貞宗にかろやかさを与えているのかな。
鋒から茎に向かって素剣と鍬形の彫りがあり、その下にあるぐにゃぐにゃとした模様が見えます。これの正体が今までよくわからなかったのですが、これ地景ですね。京極正宗を見たあとだからようやくピンときました。
肌の整い方、穏やかな刃文…のたれ主体で、わずかに玉があります。のたれの中に金筋砂流し、二重刃?を交えていてすごいな~
今回のキャプションには所持者が詳しく書かれていたようで、それを見てスゲーと言っている鑑賞者が多かったのが印象的。
短刀 銘相州住正宗 嘉暦三年八月日 名物大坂長銘正宗
長光&村正のようにこの正宗も貞宗と対比ができると感じました。
まずは茎をチェック(なぜなら相州伝の茎はかわいいから)
やはり正宗の方が貞宗よりも細いですね。身幅も。
こちらは大坂夏の陣で焼けたもの。オリジナルの刃文はどんなだったのでしょう。
現在見ることができるのは踊るような自由な刃文に、ミルフィーユのように段々と重なった砂流し。一度焼けたものをここまで直してくれた越前康継への称賛と感謝が止まらないですね。
atogaki
今回の刀たちはどれも刀剣鑑賞をスタートした年・2015年に初めて見たものでした。当時と比べてだいぶ落ち着いて見ることができたと同時に、様々な思い出がよみがえってきてちょっと懐かしい気分になりました。
今回訪れたサントリーミュージアム近くの刀剣展に行ったこともまた思い出の一つ。
■日時 2017年6月3日・10日 ■場所 泉屋博古館分館(東京) ■入館料 800円(2回目は半券提示で400円) この展示の告知を見た人はこう思ったかもしれません。 黒川古文化研究所? 泉屋博古館(せんおくはくこかん)? どっ[…]
泉屋博古館東京分館。あれ以来行けてないなぁ…行けてないといえば今回の展覧会の大元である名古屋の徳川美術館もしばらく行けていない。ううむ。
行ったことのない施設の開拓もしたいけれど、距離が遠くなって最近行けていない施設へのアクセスも見直したいですね。諦めたくない。
とりあえず来年ああたりの再訪を目指そう…かな? おわり