この記事はJR東日本のキュンパスを使い、以下の6つの施設を見てきた話の3番目です。
- 埼玉県立歴史と民俗の博物館(埼玉県さいたま市)
- 日枝神社宝物館(東京都千代田区)
- 駿府大御所刀工館(静岡県富士市) ←イマココ
- 三嶋大社宝物館(静岡県三島市)
- 佐野美術館(静岡県三島市)
- 東京国立博物館(東京都台東区)
▼前回のお話
この記事はJR東日本のキュンパスを使い、以下の6つの施設を見てきた話の2番目です。 埼玉県立歴史と民俗の博物館(埼玉県さいたま市) 日枝神社宝物館(東京都千代田区) ←イマココ 駿府大御所刀工館(静岡県富士市) […]
踊り子号で快適に静岡へ
日枝神社から地下鉄で東京駅へ戻り静岡へ向かいます。
鉄道での移動は新幹線、特急踊り子号、JR東海道線の3つの選択肢があります。
特急踊り子号がキュンパス対象だったので往復で使ってみました。
ちなみにキュンパスは指定席の利用回数に制限があり、私が購入した2日券は4回まで。八戸・東京の往復と踊り子号の往復でちょうど使い切り。
電車の中でお昼。神奈川県の駅弁。シソでくるまれた握りがおいしかった。
強風で電車が遅延しつつも、最終的には5分遅れ程度で熱海に到着。東海道線に乗り換えてJR富士駅へ。目的地は「駿府大御所刀工館」という刀剣展示施設。初訪問です。このブログでも展示情報を掲載していたので存在は知っていて、ずっと気になっていました。最寄りの富士駅から徒歩8分ぐらいで到着します。
駅前ロータリーにて
おお…!
おおお…!
富士山が見える!
忘れずにピン刺した!
展覧会概要
展覧会名:特別展「豪壮な刀─大鋒(切先)と同田貫正国─」
会期:2025年1月23日~3月23日
会場:駿府大御所刀工館
展覧会案内ページ・展示品リスト:https://x.com/sunpu_toukoukan/status/1881179711164063960
※展示物が追加され、実際配布されていたリストでは32振となっています
入館料:500円
備考:撮影OK
▲刀の展示室の様子。
施設は中で絵画の部屋と刀剣の部屋に分かれています。個人のコレクションルームという広さのイメージ。しかし大きい展示ケースが5つもあり、刀剣も30点以上展示されていました。
以下、展示品をいくつか紹介します。
刀 銘 九州肥後同田貫藤原正国 三月日 室町時代末期(1500年代)
刃長 68.8cm 反り1.6cm 個人蔵
同田貫正国、久しぶりに見るかも。豪壮で鋒も大きくかっこいい!いいなーこの滾ってる感。
槍 銘 九州肥後同田貫上野介正国 七月日 室町時代末期(1500年代)
刃長 30.9cm
同田貫の槍。槍の先端の形状が気になりました。今まで槍を見てそう感じたことが無かったけれど…なんか剣に似てない?剣はもともとスッキリしていた先端が儀礼用のものはだんだん張ってきたと聞いたことがあります。槍は?これは張っているけれど、スッキリしている槍もある。蜻蛉切とか。張っている方が殺傷力が高いのかしら?
刀と槍の同田貫。なんで?と思うくらい飾り気がないです。普段鑑賞している刀たちは、主に実用でありながら刃文がどうだとか、沸が映りが地景が~~といろいろ述べたくなる外見をしているのですが…かといって同田貫が冴えないとか野暮ったいわけでもない。そして「折れず曲がらず同田貫*」なんでしょ。
もしも自分が刀を使用する立場だったら親しみを込めて「こういうのでいいんだよ」と言いたくなるのかな?と想像しました。愛着が持てそう。
「折れず曲がらずよく切れる」という性能の優れた日本刀を表す言葉があります。同田貫の場合よく切れるのは当たり前なので「折れず曲がらず同田貫」という言い方がされたそうです。
槍 銘越前康継以南蛮鉄於(愛宕山)
同田貫を見た後だとずいぶんと流麗といいますか、絵画的な刃文を焼いているように感じました。のたれ主体に互の目交じり、二重刃かな食い違い刃かな?槍の刃文はなんとなく見づらい印象があったので、刀と同じようにはっきりと見えたことに驚きました。彫ってある字は「愛宕山」「八幡大菩薩」
脇指 作者不明 銘津田越前守助広 延宝六年八月日 号 旭濤(あさなみ)写し
助広の脇指、号旭濤(所在不明)の写し。朝日に踊る波という意味だそう。
右の写真は「新刀辨疑」の旭濤のページで、丸い玉を焼いていることが確認できます。写しにもうっすら見えていますね。この脇指は本物の助広よりやや激しい雰囲気を感じましたが、濤乱刃と匂口のふわっと具合は迫るものがありました。
太刀 無銘(氷心子秀世) 切付銘 報国源義制佩剣 小烏丸写し 江戸時代後期(1800年代)
▼上から二振り目の太刀
刃長75.4cm 反り1.6cm
写真で見たことのある本歌と比較して、なんかバランスが違うな~と思ったら刃長が違うとのこと。本歌は62.8cm。こちらの方が長いせいかスタイル良く見えます。
作者は水心子正秀の弟子。
ちょっと写真が切れてしまったけど、このハバキ見て。いつも見てる形と違う!
刃区棟区から目釘孔まで長く覆う形になっています。初めて見たかも。
この子烏丸写しは常設で展示されているそうです。
太刀 銘不明(九州古典派)
▼一番上の太刀
本間先生の鞘書では「豊後国僧定秀」とされていますが、日刀保では「古波平」と鑑定した太刀とのこと。
重そうな刀たちの中にある古雅な姿。焼き出しあたりは肌のねりねり具合が見えるかしら。
僧定秀も古波平も個人的に好みと認識していますが、如何せん回数を重ねてみたことがないのでどのような理由で古波平と鑑定が変わったのかわからず…気にまります。
▼自由に閲覧できる刀剣図書 脇の棚にファンの差し入れた刀剣乱舞グッズが飾られている
刀を鑑賞しながら「この空間とても好きだな〜」と思いました。比較出来る展示構造になっているし、椅子もあって休憩できるし、閲覧自由の本もある……文字だけで見ると博物館や美術館と同じかもしれませんが、違うんです。もっとリラックスして鑑賞できる空間。もし自分が刀剣を見始めたばかりで近所にこんな施設があったら…と想像せずにはいられませんでした。
館長の吉田様に話を伺ったところ、長野からいらっしゃって一日滞在される熱心なファンや、お弁当持参で所蔵の本で学習する学生さんもいるのだとか。納得。
趣味で刀剣を集める方は多くいますが、展示場所や展示ケース、キャプションに展示品一覧まで揃えて公開するなんて、誰それができることではないと思います。ただただすごいの一言。地域貢献ができる…趣味人として憧れの域です。
想像以上に充実した時間を過ごせて、今回のスケジュールに組み込んで本当によかったと思いつつ、翌日のため三島のホテルに向かったのでした。
2025年春のキュンパス遠征編
今年もJR東日本でキュンパスが販売されていたので、そちらを使って東京と静岡の刀剣展覧会を見てきました。キュンパスについての詳細はこちら▶https://www.jreast.co.jp/heijitsutabi/kyunpass 連[…]
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