この記事はJR東日本のキュンパスを使い、以下の6つの施設を見てきた話の2番目です。
- 埼玉県立歴史と民俗の博物館(埼玉県さいたま市)
- 日枝神社宝物館(東京都千代田区) ←イマココ
- 駿府大御所刀工館(静岡県富士市)
- 三嶋大社宝物館(静岡県三島市)
- 佐野美術館(静岡県三島市)
- 東京国立博物館(東京都台東区)
▼前回のお話
今年もJR東日本でキュンパスが販売されていたので、そちらを使って東京と静岡の刀剣展覧会を見てきました。キュンパスについての詳細はこちら▶https://www.jreast.co.jp/heijitsutabi/kyunpass 連[…]

埼玉県立歴史と民俗の博物館の次は、東京都の日枝神社へ向かいます。
ダイヤ乱れが予想されたので予定より少し早めに博物館を出発。大宮公園駅に到着すると、やはり電車が遅延していました。大宮駅でも同様。とりあえず来た新幹線に適当に乗って東京駅へ。前回はなぜか千代田線を利用し東京駅地下を無駄に歩きましたが、今回はホームが近い丸の内線で向かいます。


▲エスカレーターや宝物殿側ともまた違う、山王稲荷神社側へ続く稲荷参道から入りました。
外国人も日本人カップルもみんな千本鳥居で記念撮影をしていました。
日枝神社は約2か月ごとに刀剣を入れ替えて展示しています。昨年は国宝の則宗を見に1月に訪れました。今回訪れるのは2月。HPによるとどうやら国綱がメインのよう。日枝神社に収められている奉納刀31振りにどんなものがあるのか気になっていたので、今回の遠征に組み込みました。
国宝の一文字則宗を所蔵・展示していることで刀剣界隈では有名な東京の日枝神社。実はまだ行ったことがなかったので、ちょうど上京するタイミングで則宗が展示されていたので行ってみました。 概要 会期:常設・2か月ごとに展示替え会場:[…]

ちゃんとピン刺した!
展覧会名:常設展示
会期:2月~3月・8月~9月の公開予定
会場:日枝神社宝物殿(東京)
宝物館案内ページ:https://www.hiejinja.net/gallery/treasure/
入館料:無料
備考:写真撮影NG
訪問日:2025年2月13日
今回展示してあった刀剣のリスト(順番:展示室の右側→左側)
- 太刀 銘 延房 重要文化財
- 太刀 銘 備前国新田荘住親依 元徳4年(以下不明) 附糸巻太刀拵 重要文化財
- 太刀 銘 国綱 附糸巻太刀拵 重要文化財
- 太刀 銘長光 附糸巻太刀拵 重要文化財
- 太刀 銘一
- 刀 銘康継以南蛮鉄於武州江戸作之
刃文が見えづらいことはわかっていたので「どんな刀剣があるのかチェックする」がメイン。滞在時間は短め。キャプションの一部と感想を簡単に書きます。
太刀 銘延房 重要文化財
長さ 2尺1寸6分(65.5cm) 反り 4分6厘(1.4cm)
鎌倉初期の刀工。福岡一文字。御番鍛冶の一人。
貞享5年(1688年)9月3日、5代将軍綱吉が奉納。
目釘孔4つ。うち一番ハバキ側のものは埋められている。茎尻は切。磨上げられたことがよくわかる、茎の錆びと朽ち具合。
太刀 銘備前国新田荘住親依(ちかより)元徳4年(以下不明) 附糸巻太刀拵 重要文化財
長さ 2尺4寸6分 (74.5cm) 反り 9分2厘(2.3cm)
享保2年(1717年)5月29日、8代将軍吉宗が奉納。 附属太刀拵は江戸中期の作。
親依は備前国新田荘の住人で鎌倉末期の刀工。現存品は少ないようです。
展示物の中で一番細身。これも目釘孔4つ。茎尻切。磨上げ、ふんばりつき小鋒。
太刀銘国綱 附糸巻太刀拵 重要文化財
長さ 2尺2寸9分(69.5cm) 反り 5分5厘(1.6cm)
延宝9年(1681年)9月15日、5代将軍綱吉が奉納。附属太刀拵は 江戸中期作。
山城国粟田口派の刀工。
茎尻切。目釘孔2つ。いちばん茎尻側の目釘孔が眼のように大きめ。
彫り物が4種類。茎側→鋒側の順で見ると、一つ目の目釘孔の上辺りに爪。その上からハバキを跨いで腰にかけて素剣。素剣の上に梵字(結構浅くなってる)。その上から鋒まで二筋樋。銘ははっきりよく見えます。
国綱ってこんなに彫り物があるものなんですね?ぱっと見は京物の雰囲気を感じず…鎌倉に招かれ相州伝へ繋がる流れを作った刀工、というのが表れているのでしょうか。
太刀 銘長光 附糸巻太刀拵 重要文化財
長さ 2尺3寸9分(72.3cm) 反り 5分9厘(1.8cm)
元禄17年(1740年)3月9日、加賀宰相綱紀が奉納。附属の太刀拵は江戸中期のもの。
茎尻切。目釘孔3つ。うちハバキ側が埋め。銘字は細くて浅い!右隣の国綱と比較すると細さがよくわかります。
全体に小丁子、葉・足が入り華やか。物打ちは一気に刃文がおとなしくなり、眠いような、沈んでいるような見えにくさを感じました。この丁子、勢いがあるというよりは丁寧かな。地斑映りか乱映りかわかりませんが、ボッボッとした濃淡が見えました。
太刀 銘一
長さ 2尺3寸3分(70.6cm) 反り 9分8厘(2.75cm)
天明7年1787年十一月二日十一代将軍家斉が奉納。
吉岡一文字派の作。鎌倉末期に繁栄。
目釘孔3つ。うち2つが大きめ。銘字が明朝体のよう。展示刀剣のなかで一番反りが強く見えましたが、数値上でもそのようです。しっかり腰反りで小鋒。刃文はのたれ主体。焼き出しがおとなしいかな?
刀 銘康継以南蛮鉄於武州江戸作之
長さ 3尺2分3厘(91.6cm) 反り 7分9厘(2.4cm)
奉納者の黒田源右衛門らは明らかでないが、元禄2年2月5日の奉納
康継四代(江戸時代初期)の作。
大太刀くらい大きい刀。目釘孔1つ。もともと奉納目的の刀剣?茎尻が剣形。茎に葵の紋。肌がきれい。
以上が今回展示されていた刀剣の感想です。
6振り…展示月が決まっている則宗・国綱・師景以外はランダムなのかしら?
今のところ12振り見ました。残り19振り。いつコンプできるんだろう?

▲すっかり春めいた日差し。もう梅が咲いている!
大宮で早めに行動していたのでここでは予定より多めに時間を取ることができました。
地下鉄で東京駅へ戻り、踊り子号で熱海へ。またしても強風の影響!川崎あたりまではだいぶゆっくりの走行……もしかして次の施設に間に合わないかしら?という不安を抱きながら静岡に向かうのでした。
2025年春のキュンパス遠征編
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