記事の順番が前後しますが、先にこちらをアップします!
五虎退と姫鶴一文字を見に山形県米沢市まで行ってきました。
今回もまた予想外の出来事&驚きに見まわれ…それも2回。しかし、今までの刀剣関係の遠征の中で一番ハートフルでした!
朝6時に東京を発ち8時55分米沢駅に到着。
見て見て!
駅前から既に五虎退アピール。これは審神者歓迎ムードかな!?
五虎退ちゃんが展示してある米沢市上杉博物館は米沢駅からバスで10分程の上杉神社前という停留所で下車してすぐ、目の前にあります!
米沢市上杉博物館
う〜ん、立派な建物だ。
通常の入館料は410円ですが、現在は特別展示期間中なので620円になります。
わぁ〜〜〜ドキドキする!
五虎退ちゃんもお出迎え!
博物館内の写真撮影は、エントランスホールはフラッシュ有りで撮影OK、
企画展示室・特別展示、常設展示の一部は撮影NG
それ以外はフラッシュ無しで撮影OKとのこと。残念ながら刀剣があった場所は撮影NGでした。
さて当の二振はこんなかんじで展示してあったのですが…
雑な画像で申し訳ない
ここで予想外・その一。
照明が残念だったのです………
室内全体が暗めだったのは同室に展示してあった屏風に対する配慮(光で劣化しやすい)だとしても、展示ケース上の照明が奥に向かって光が差しているのに対して、刀の向きが垂直過ぎるというか…
姫鶴は華やかな刃文で有名な福岡一文字派の太刀なので、通常であればどのような刃文かぱっと目につくはず……はず。しかし今回は身を屈めて下から覗き込むように見て漸く、うっすら見えるかな?程度の見えづらさでした。当然地鉄も見えません。
これは私だけが感じた事ではなかったようで、その場にいた何人かの審神者さんも同じ事を言っていたし、既に見に行った人たちからもそのような声を寄せられているのだとか。
■太刀 銘 一 号 姫鶴一文字
13世紀鎌倉時代 重要文化財
茎が短めで身幅は元から鋒までしっかりとした太さの太刀姿でした。
刃文の詳細はつるぎの屋さんの押形画像で確認できます。こちらには拵も載っています。
一緒に展示されていた拵は合口拵(あいくちこしらえ)といって鍔が無い仕様。
そして打刀拵なのです。
使用者によっては太刀を打刀のように差す人もいたようで、その場合拵が打刀仕様になります。掛け台にも打刀と同じように掛けられるので、私が描いた雑な図のように太刀と拵は反りが向かい合うようになります。
それについての説明もあったらよかったのにな。
合口拵についての説明はあったんですけどね。きっと「分かる人」と「気にしない人(分からない人)」に分類したら特に説明書きはいらないってことで省いたのかな。
追記:当時は↑のように思ったのですが、その後たくさんの刀展示を見に行ってみて、太刀につく打刀拵の説明はないのが基本ということがわかりました。
■短刀 銘 吉光 号 五虎退
13世紀鎌倉時代 重要美術品
五虎退ちゃんは姫鶴に比べて割合見やすく、銘まで確認できました。
押形はつるぎの屋さんで確認できます。真ん中の刀が五虎退です。
ハバキあたりから刀身中頃まで護摩箸(腰二本樋)が掻かれているのですが、なんとなく五虎退ちゃんのソックスを彷彿させるような(´∇`*)
こちらの説明にもある通り、目釘穴が2つあったんですけど、銘に近い方が埋められており1つになっていました。あと棟の真ん中に黒ずみ(錆)があります。浸食していてとれないそうです。
このような状態になっている刀を初めて見たので、思いのほかショックでした。
「お客様からの熱烈な要望にお応えし、「五虎退」(個人蔵)と「姫鶴一文字」(米沢市上杉博物館蔵)を期間限定で展示することとしました。」とのことで見ることの叶った二振りでした。照明や疑問点などはありましたが、実物を見てみる経験ができてよかったです。
常設展示
博物館の常設展示は大名行列や四季の村の風景のジオラマ、米沢藩復興に尽力した上杉鷹山公のショートムービーの上映等があって楽しかったです!
春から秋へ
封書の折り方を体験できるコーナー
中でも一番好きだったのは、撮影禁止エリアの「洛中洛外図の世界」でした。
CGで市中の様子を紹介していて、こんな感じの絵が動いて、喋って活気溢れる市中の様子を紹介しています。かわいかった。
特別展示の方は米沢藩の医学に関する資料が紹介されていて、上等な薬箱や、カラーでなかなかにグロい詳細で鮮明な人体解剖図、痘證鑑訂(痘瘡にかかった人を唇・舌・顔面に見られる症状で判断する本)等が展示されています。
一点疑問だったのは、普通絵巻は右から左に物語が進むのでそう読めるように順路設定されているんですけど、人体解剖図は右端は首を落とすところから始まって、左に行くにつれてどんどん体が解体されていく…右から左の流れ。なのに順路が示すのは左から右。逆だったんです。なぜだろう。物語ではないからかな?学芸員さんに訊いてくればよかったー><
展示全体を楽しんだ後はミュージアムショップをチェック。
出典 https://twitter.com/tkrb_ht/status/638268972471709696?ref_src=twsrc%5Etfw
こちらのミニトートとブックカバーが気になっていたのですが売り切れでした。レジ付近にて予約受付をしています。
ちなみに私はポストカードの他に冬虫夏草の模写を3枚買いました。冬虫夏草のはおそらく大体の人が好まないと思うので写真は上げないでおきますね…
上杉神社
博物館の次はすぐ近くにある上杉神社へ。
すっかり秋の空気。
博物館でムービー上映されていた上杉鷹山公の銅像。彼がかの有名な「成せば成る 成さねば成らぬ何事も〜」を詠んだ人だったんですね!知らなかった!
上杉神社 宝物殿・稽照殿
こちらも撮影禁止。以下の刀剣が展示してありました。
剣 無銘 瓜実御剣 (附)黒漆塗拵
18.8cmの小さな剣。素剣のような見た目。
太刀 銘国宗 戒杖刀(カイジョウトウ)
鎌倉時代 備前三郎国宗作。
デコボコした木の杖の鞘に入った仕込刀。78.2cm。長い。
長巻 無銘 伝則包
鎌倉中期、福岡一文字派の刀工則包作。重要文化財。70.99cm
「長巻」とはもともと拵の用語で、正確には「長巻(拵え)の薙刀」らしいです。
ほかにもあの有名な直江兼続の「愛」の前立や、川中島合戦屏風の写しがあります。
是非見てみてください!
観光
こちらのマップでわかる通り、博物館の付近には上杉神社や上杉伯爵邸といった観光スポット、お土産ショップ等もありますが、ここで見逃してはならないのが五虎退コラボショップ。
結構たくさんあるので米沢泥足プロジェクトさんのHPでチェックしてから行くのが良いです。googleマップリンクつきで現地でも便利!
ちなみにこのマップは上杉博物館のエントランスで手に入れました。あとはどこに設置されているんだろう?
PDF版があるので詳細な中身はこちらからご確認ください。(要drop boxのID)
上杉神社周辺にどらやきの鷹山堂さんと五虎退最中の虎屋さんがあるので要チェックです!
鷹山堂さんのバター入りどら焼き。
時間がなかったのでテイクアウトで。持ち歩いたので縞柄がヨレちゃってます…
鷹山堂さんはカフェに米織小紋を扱うお店が併設されていて、バッグやストール、小物などが販売されていました。
こちらは虎屋さんのごま最中。こちらについてはまた後で紹介します。
上杉伯爵邸にも行ってみたのですが、結婚式をしていた方々の貸し切りのため中には入れませんでした!外観だけ
左のガラス張りの建物が米沢博物館。右の黒い門が上杉伯爵邸。隣同士です。
コラボショップの一店・イタリアンレストランのラ・スカルペッタさん。
米沢駅から徒歩一分で、こちらでは五虎退をイメージしたヒラメのムニエルを提供しています。
ランチタイムよりちょっと遅かったんですけど、ダメならダメで仕方ないなという気持ちで訪ねてみました。
やはり、こちらのメニューはランチタイムのみ……しかしここで予想外・その二、なんと特別に料理を出していただけました!
塩味が効いていて、パンと相性ぴったりで美味しかったです!
ほんとに、ダメ元で行ってみたので嬉しい…ありがとうございます。
食事を頂いていると別のお客さん(?)が入ってきて、話の流れからその方を紹介していただいたところなんと米沢元気発信隊の事務局長さんでした!
今回のコラボ情報、米沢の交通情報や宿情報等、訪ねるとなんでも答えてくれるお兄さんです。
ツイッター@kotora_yonezawa
私も帰りまでの時間を潰す場所をおしえていただきました。事前に調べていた温泉、タクシーで片道1,600円くらいだったはずなんですけど、本当は5,000円くらいするそうです!あぶな…
代わりに紹介していただいたのが高畠駅にある温泉。(後述で紹介)
おかげ様で助かりました(*´∇`*)
博物館に行って、上杉神社を見て、上杉伯爵邸でなにか食べて…あとは温泉にでも入ってまったりしてこようかなというのが当初の予定だったんですけど、現地に行ったら思った以上にコラボショップが多く且つ魅力的だったので、時間配分ミスったなぁと思いました。
コラボショップも鷹山堂さんとラ・スカラペッタさんしか寄れなかったーという話をしたら
お店のおねえさん(美人)が何やら持ってきてくれて…
虎屋さんの五虎退最中を頂きました!!
時間外のお料理提供のほかにお土産まで頂いて
うぅっ…こんなの予想外なんだぜ…(;∀;) 本当にありがとうございました!
最中おいしかったです!!
パンフレットには載っていないけれど(記載が間に合わなかったとか?)米沢駅前の酒屋・金内酒店さんでも五虎退&姫鶴のお酒を扱ってます。
ここの店主さんもとてもフレンドリーで、何種類かお酒を試飲させて頂きました!
店「どんだ?」
私「ん。あーーいいあんべぇっこだ。んめ。」
店「あら、言葉なーして知ってらの?」
私「わー青森出身だすけな」
トーホグ弁トーク(ง ‘▽’)ว
米沢の人たちの訛りはどんなもんだべが?
発音はやリズムは近いものを感じるんですけど、イントネーションは南東北なだけあって福島や北関東に近いな〜と思いました。
ちょっと話は逸れますが。米沢を訪れた方は「ありがとう」の意味の「おしょうしな〜」という言葉をよく耳にしたと思います。
青森や岩手では「おしょし(す)い」「しょし」で恥ずかしいという意味なのでどういうことだろう?と思ったので店主に訊いてみると、やはり「おしょうしな」は「恥ずかしい」が元だったようです。(※諸説あり)
昔々、城下の人々が長屋住まいだった時、調味料等を貸し借りし合う際に「いやー恥ずかしいですな」=「おしょうしな〜」と言っていたのが転じて「ありがとう」の意味で使うようになったそうです。
言葉や言語に興味がある自分には大変おもしろいお話でした!訊いてみてよかった!!
五虎退コラボショップのいくつかにはファンの方が書いたイラストが設置されているそうで、
金内酒店さんにはこちらのイラストが飾られていました!
あまり関係ないけれど外観がカワイイ旅館があったので写真はっとこ。
交通関係
今回キモだったのは交通機関の時刻表。
米沢市上杉博物館は米沢駅から市民循環バスで10分のところにあります。お察しかと思いますが、そのバスはおよそ一時間に一本のペース。田舎あるある。時刻表はこちら
終バスが早いのであちこちお店を回りたいひとは時間配分が大事…
もしくはバスではなくレンタサイクルという移動手段がよさそうです。米沢駅前と上杉神社境内の観光案内所でレンタルできます。コラボショップは飲食店が多いので、自転車移動→ごはん→自転車移動→カフェなんて流れの方がバス移動より良いかも??
旅の最後は温泉
遠征の〆は米沢駅から下り電車で二駅の高畠駅構内にある温泉。
「泣いた赤鬼」の作者の出身地、なので赤鬼・青鬼がいます。
ん〜〜やっぱり温泉銭湯は湯量が多くて良いですな〜〜〜
ここには休憩室(20時まで利用可)があるので夜行バスを待つのに利用しました。
温泉300円+休憩室200円。安い!!
そんなこんなで、予想以上に充実していた日帰り遠征。
冒頭で「いままでの遠征で一番ハートフル」と書きましたが、ラ・スカルペッタさんを始め米沢元気発信隊の八巻さん、温泉スタッフの方、駅員さんにもとても良くして頂きました。みんな親切(;;)
そして刀の展示だけでなく、コラボで街全体を楽しむことができたのはここが初めてだったので…尽力された関係者の方々、このような企画を打って下さって本当にありがとうございました。楽しかったです!それが東京や大阪・京都のような大きい都市ではなく、東北の一都市だというのが個人的に胸熱。頑張ってるなぁ
今までの記事で一番長くなって、終わりが見えなくて折れそうでしたがようやく終われそうです笑
早く名古屋と岡山の記事を終わらせろという視線が痛い、けど光忠と獅子王ちゃんの展示もあるし…あと数珠丸も行けたら行きたいので…次回がなんの記事になるかは未定ですが、ぼちぼち更新しますので、引続き刀剣訪問ブログをよろしくお願いします(´▽`) おわり