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童子切安綱を見に行った話

童子切安綱を見に行った話

■日時 2016年1月2日、2月20日、3月5日
■場所 東京国立博物館(東京都・上野)
■入館料  0円(年パス)
■交通費 388円(新宿⇔上野/往復)
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新年最初の開館日からトーハクに行ってきました!今回は以下の十五振です。
1F
太刀 童子切安綱
太刀 古青江正恒
太刀 粟田口久国
太刀 大和千手院
太刀 今荒波
太刀 長船真長
刀  相州正宗
短刀 相州秋広
太刀 志津兼氏
太刀 長船盛光
刀  堀川国安
刀  和泉守国虎
2F
太刀 山城吉家
太刀 上杉太刀
太刀 堀川国広
1Fは天下五剣の童子切安綱を筆頭に堂々としたパワフルなメンツ揃い。
早速紹介していきます!
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太刀 伯耆国安綱 銘安綱 名物 童子切安綱
平安時代・10〜12世紀 国宝
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トーハク一階第13室。刀剣コーナーのいの一番に展示されているのが童子切安綱。
太刀姿は平安太刀の特徴である腰反り。幅元太く、物打ち〜鋒まで痩せず、しっかりしています。
小乱れの中にうっすらと互の目。肌立った(はっきりした)板目肌。
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“映り”という平地に表れる白い影のような模様。
この刀は鎬筋まで達するほどの大きい映りを有していました。寧ろ平地の殆どが映りのような感じ。(素人カメラでは映りは写せないんだ、ゴメンね)
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ここからご教授頂いた話。
「安綱の作品の殆どは刃縁が沈んでいるけれども、これは珍しく潤んでいる」とのこと。
さて「沈む」とは?「潤む」とは?
刃と地(平地)の境目がどのような状態かを表す言葉です。
沈む     >> 見えない
潤む      >> ぼや〜っとしてる
冴える・締まる >> クッキリしている
安綱の他の作品といえば見に行った方も多いでしょう、前回の記事で紹介した鬼切丸(髭切)。
それと比較してみると、確かにこちらの太刀の方が刃と地の境がハッキリしていました。
載せてある鬼切丸の写真はスマホ撮影だから本当に刃縁が見えづらくてあんまり参考にはなりませんが^^;
優美・上品ではなく、荒々しいともまた違う、武を表した威風堂々の姿。最高にクールでした!
それに対してに銘が……自体がまるで子供の字のような可愛さ。そのギャップ和む〜
彼がゲームに実装されたらきっと岩融みたいないいやつに違いない。(っていう希望♡)
太刀 古青江正恒 銘正恒 重文
鎌倉時代・13世紀
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古備前正恒ではなく古青江の正恒。
どことなく平べったい印象。なめらかでいて、特に物打ちのあたりが美しかったです。
刃文は小湾れで物打ちから鋒あたりが直刃。
隣の童子切の刃縁が潤んでいたのに対し、こちらは冴えています。
太刀 粟田口久国 銘久国(花押)
鎌倉時代・13世紀 国宝
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おそらく今回の展示の中で一番尺があったのかな?足を止めてみる人は口々に「大きい〜!」と言っていました。私も久国ロングソードって呼んでいました(笑)
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腰反り高く、鋒小さめで気持ち伸びる。地鉄がよく詰んでいて美しかったです。刀掛け(向かって右側の方)あたりに見えるのは砂流しかな?
前回展示されていた久国の作品同様、品の良さが伺える太刀でした。
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茎を見てみてください。上に反りたいのか下に向きたいのか。どっちつかずの歪な曲がり方をしていますよね。
これもまた教えて頂いた話になります。
この太刀はぐっと刀身が反っていて、それだと鍛刀する時に火バサミで掴みづらい…そのために敢えて茎を反対側に反らせて掴みやすくした説。
もう一つは、拵に合わせて変形させられた説。
太刀の拵ってモノに寄っては柄の部分が結構反っていますよね。刀身と同じく時代が進むに連れて柄の反りも浅くなってきます。それに合わせてこの太刀も茎の形を変形させたのではないか。
以上の二つの説が読み取れるようです。
最初見た時はまぁちょっと歪かなくらいにしか思わなかったこの形状。
そんな背景もあるかもしれない、ということを知れてまた一つ刀の経年・歴史を感じました。
太刀 大和千手院 銘千手院
鎌倉時代・13世紀 重要美術品
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ぼんやりとした互の目に丁子混じる。ちょいちょい傷アリ。
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物打あたりのとこ。刃文があった跡はあるけれど抜けています…失敗??
太刀 一文字 号 今荒波
鎌倉時代・13世紀 重要文化財
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今回も13室の派手ゾーンを飾るのは一文字派!今荒波は福岡一文字ではなくそれよりちょっと後の時代の吉岡一文字で、福岡一文字よりかはやや控えめと言われています。
とはいえこうだよ
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細かく重華丁子。大きく小さく不規則に小丁子や小互の目。蛙子丁子が波しぶきのようです。
あまりクッキリとはしていないところが余計に、ガスがかった荒れる海を想起させる作品でした。
太刀 長船真長 銘備前国長船住人平真長造嘉元三年十月日
鎌倉時代嘉元3年(1305)
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3/15から大般若長光が展示されますね。その長光の門人と言われる刀工の作です。
この時代のものにしては反りが少ないけど…磨り上げられているのかな?
直刃を基調としていて、刀身真ん中あたりをよーく見ると箱互の目のように頭が真っ直ぐな小さい互の目があります。あと足かな?小さい切れ込みちょいちょい入っていました。
刀 相州正宗 金象嵌銘 城和泉守所持 正宗磨上 本阿(花押)
鎌倉時代・14世紀 国宝
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茎尻が剣形で細いです。幅元はしっかり、鋒に行くにつれてやや細まる。
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全体的に大きくのたれていて、沸がよく見えました。地鉄と刃文のコントラスト、太刀姿が美しかったです。
「陸奥津軽家に伝来した」ですって? へ、へえ〜〜そうなの〜〜
(私は旧南部領出身、といえば青森県民は意味わがんべ?^^)

短刀 相州秋広 銘相州住秋広 応安三
南北朝応安3年(1370) 重要美術品
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撮影禁止の短刀。
幅がやや広めで深い樋。よく見える板目肌。少し飛び焼きがあります。
短刀も鋒のとこを帽子って呼ぶのかな?帽子の大きいうねりが美しく、味わい深かったです。
太刀 志津兼氏 銘兼氏
南北朝・14世紀 重要文化財
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きれいな板目!わかりやすい!
鋒のびのび大鋒
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太刀 長船盛光 銘備前長船盛光 応永廿三年八月日
室町時代・応永23年(1416)
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盛光は康光と並び応永備前と称される刀工だそうで。
ハバキ元から横手筋まで、刀身全体に大きくランダムにうねる模様。
「互の目丁子刃」というのが私いまいちまだわからないんですけど…縁が互の目で、中の模様が丁子のこと?それとも互の目と丁子が混ざっている事??ヤバい勉強しなきゃ…
刀 堀川国安 銘国安
安土桃山〜江戸時代・16〜17世紀 重要文化財
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全体的にどっしりしています。鋒は志津の方が大きいけどこちらも大鋒。
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大きくのたれ、少し互の目交じる。
鋭くて強そう。
説明には「匂口が明るく冴えている」と書いてあるけど、肉眼でもわかるくらいのつぶつぶがすごくハッキリ見えました…うぅっ、これもどういうことかよくわからない…勉強しよ…
刀 和泉守国虎 銘貞享元年十月吉日 奥州岩城平住人(菊紋)根本和泉守藤原国虎
江戸時代・貞享元年(1684)
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分厚いし重そうだしドギャーン!って擬音が似合いますね。ジョジョか。
幅元から太く、鋒に向けてやや細まるけれど、それでも太いです。
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肉厚だ〜〜
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2F
太刀 山城吉家 銘吉家作
平安時代・12世紀
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三条宗近の流れを汲む刀工とのこと。
平安太刀のことをいつも上品とか品がいいって思っちゃうけど……やっぱりそうなんだよね。これも。
黒漆千段巻打刀(太刀銘吉家作の拵)
江戸時代・19世紀
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太刀 福岡一文字 銘一 号上杉太刀
鎌倉時代・13世紀 国宝
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自分の身長からだと照明の当たりが悪く、少し爪先立ちになってやっと刃文が見える感じ。
丁子刃らしいんですけど角度の関係で互の目っぽく見えました。
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カマス鋒!
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ハバキの位置…これってどういうこと?
なんだかんだ、やっぱり国宝ってカッコいい。
群鳥文兵庫鎖太刀(上杉太刀の拵え)
鎌倉時代・13世紀 国宝
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鈍い金色。柄にも鎖の金具にもカワセミのような嘴の鳥がたくさん彫られています。 
柄の一部にヒビあり。
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久国のとこで書いた柄の形状。吉家作の拵と見比べるとググッと上に反っています。
太刀 堀川国広 銘国廣
安土桃山時代・15世紀
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これ撮影禁止だったかな…それとも撮り忘れかしらこちらも撮影禁止です。
しかもあんまりコメント書いてない…ゴメン
以上!最後締まりが悪くてスミマセン(;´-`
実家帰りの新幹線を上野で降り、トーハクへ向かうと中は人がたくさん。いやぁ正月からみんな元気だなあと思いつつ踏み入れた13室。正月効果かはわからないけれど、晴れ/ハレを思わせる刀たちでなんだかとてもおめでたい気分にさせられたのを覚えています。今荒波は天気悪いけどね!「春の海」正月によく流れる琴と尺八の曲?違うか(笑)
その後は写真を撮りに行ったのにカメラの充電が無かったり、2月は忙しくて十分な時間が確保できなかったり、結局展示最終日の更新となってしまいました。・゚・(ノД`)・゚・。
毎回最終日は寂しくなりますね…暫く見られないのか、と…
明後日からの大般若長光と観世正宗を楽しみにしつつ、童子切安綱を見に行った話を終わります。

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